─ 回想:フローラ ─
[ この村には、その豊かな自然を代表するような花々を扱う
綺麗な花屋があった。
森や道に自然に生えている花とは違う、
手入れされた花にしかない生き生きと色鮮やかな花達。
その花屋を切り盛りするのが、フローラだった。
今の私の暁亭にも、店先を彩るように花が飾ってある。
この村にある花とは違う、私の故郷の花々は
フローラが自ら取り寄せてくれたもので。>>71
開店祝いにと渡されたアレンジメントに、
私は目を丸くして驚いたのを覚えている。 ]
ありがとうフローラ!こんなに嬉しい祝いはないよ。
[ そう言って、それからは定期的に彼女の花屋に通っている。
土産には自前の菓子を添えて。
彼女もまた、喜んでくれているといい。* ]