― 回想:ダイヤと ―
[コレはあれだ、ヒト幼体に近いな。
成人に至る前の若い個体によく見るケース、それをなぞる機体も在るのかと思いはしたが、巫女たる特殊機体及び、開発者のクセに近いかも知れない。
工場で大量生産される機体とは異なるデータを閲覧および体感しながら、足りないデータに眉をひそめる。
垂れた小言に反抗期的な態度を返されれば、肩をすくめた。
分かりましたと言っているのならば、分かったのだろう。
しょうがない、こういう事もある。
そう思いながら機密文書の内容、内訳を閲覧する。
ある意味では、この個体は功績者。
ある意味では、この個体は加害者。
異なる目線で見るなら、完全な被害者。
折り重なる死体の前に立つ彼女は、一体何を思ったのか。]