……お。[弧を描いて木々の間、己で定めた新緑のゴールを揺らす。3本目で入ったシュート。何でこんなことをしているんだっけ。] 返しにいかないと。[置き去りにされたボール。バスケ部の誰かが仕舞い忘れたのだ。藪の陰に転がっていたそれを拾って、なんとなく空に放った。早く返せばよかったものを。おかげで、ボール泥棒呼ばわりされる羽目になるのだから。いつもの『 間違い 』だ、気にすることはない。]