[ゆっくり近づいて、椅子の傍らで屈んだ。白い塊を手にした後、そっと彼の肩を叩こうとする。視界に入るように身体を傾ければ、ツインテールが零れて揺れた。] これ、違う?[結月の小さな手に乗っているのは消しゴムだ。彼の物か別の誰かの落とし物かは分からない。囁くような声で尋ね、彼――飯島の返答を待った。]*