「カラス」、がいいかな。
[アッサからの帰り道にぼんやりと考えていた名を口にする。
誰かの名前の記憶で生きていく“ 演者 ”には、自らに個体名をつけるという発想が無かった。故に己の呼び名の話題には未だに慣れないまま、幾らかたどたどしい口調になってしまうも。]
カラスは真っ黒で不吉な鳥だって風聞もあるけれど、
光が当たると、羽が青く輝くこともあるから。
こんな僕なりにでも、あなたの青い鳥になりたいから。
「カラス」って呼んで貰えたら、嬉しいです。
[よくあるお伽噺ながらも、小さな噺>>70のことは知らぬまま。
笑顔で「よろしく」と続けようとして――言葉は一度そこで途切れる。]