[傍聴席は荒れに荒れ、暴動による人的被害を懸念して裁判は急遽閉廷となった。
裁判官もこの件の行く末を決めるのに慎重にならざるを得ず、
出処の怪しい証拠品を部分的に認める運びとなる。
単身自主したテロリズムの象徴たる女。
極刑に処せば各地で狂信者達による反乱は免れない。
司法とは何か。公正とは何か。
今も語り継がれる永遠のテーマとしてこの一連の事件は残る事となる。
当時の裁判長は市民の安全と正義を天秤に掛け────
“責任能力を欠く程の精神疾患は認められないが
心神喪失状態にあり情状酌量の余地はある”
後日再会された最終審では
検察側の要求を一部棄却し、終身刑が決まった。]