[それは肖像画……と言うには些かお茶目なもの。
片目を閉じてウインクをする好青年の絵画だった。
でもそのスペースだけは他とは全く違う装飾が施されているから、遊園地にとって余程大事な人物なんだろうな。
具体的にどう違うのかと言うと、星屑の数が段違い。
資料館はやや暗いフロアとなっていて、壁は夜をイメージして黒を基調としたものになっている。
絵画や資料に人が近づくと、淡い光の星屑がそれらを照らし、よく見えるようになるのだけど。
その肖像画のある場所は部屋全体が光る。
まるでその人に引き寄せられるように、無数の人々の星がそこには詰まっていた。 ]