いえいえいえ、謝らないで下さい。
[>>94ただの安物なので、と付け加えつつも過去と未来で値段にどれほどの差異があるかは分からないけど。
咄嗟に零れた本音で意識を逸らす事に成功して、小さく笑った様子にほっと安堵を浮かべれば、続く言葉に両手をふるふると振って。]
ああ、いえ……ハンカチなら他にも予備がありますし、全然、気にしないでください。
[一緒におろおろ。
夢の世界なので多少の汚れはすぐに落とせるのだけど、その時は二人共気付かなかったのである……。
そうこうしている内に、漆黒の布地が夜の帳を思わせる綺麗なハンカチを取り出したローズさん。
一目見て高価な物だろう事を確信した僕は、受け取れないと言いかけて、ローズさんの言葉に口を噤む。]