― ??? ―
[それは何時かの夕暮れ、男が一人で居るタイミングに、その傭兵はふらと現れる。
太陽とは戦場にも、平和をうたうトループにも平等に降り注ぐもの。
オレンジ色の眩しい光が、トループに長い長い二人分の影を落とす。
丁度、いつかの夕暮れのような。>>0:20]
『久しい、な、 …ザッ、
メトロポリスの改人』
[かつての美しい戦場を懐かしむ声。けれどそれは決して良い思い出などでは無い。>>0:30>>0:31>>0:32
しなやかな四肢、無慈悲に振るわれるブレード、立ち去る影。>>0:45
――どれも忘れはしないさ。]
『……ガリ、ザ、ザザッ、――キィン、ガリ』
[男は笑う、笑う、
人工声帯が吐き出すノイズで構成された笑い声と共に、襟のボタンをはずし緩める。
喉の傷を露わにすれば、ほら、縫い痕がよく見えるから。]