[>>114話したのは、自身の職業が傭兵である事。自身にはもう身内は居ない事。それらを切り上げるようにバンドの話を滑り込ませ、どうしても引っ掛かりそうな喉の傷の話題を先に漏らしておく。背の低い友人の特徴はあやふやなまま通して、自身のプライベートにつながる印象を徐々にボカシてゆく。きっと同国の者相手であっても会話の内容は曖昧なままであっただろう。どうやったって危うい職業上、繋がるフックは少ない方がいいだろうから。口を滑らす前に、雑談の続きは食事の話に移しておいた。]