「さっきの音声、心当たりがあるなら、少しだけ教えてあげる。
あれが記録されたのは数日前の、……君も知ってるよね、二国間で休戦宣言が出された、あの日だね。>>0:1>>0:2」
聞こえてるかどうか分からないけど構わずに続ける。
「あの音声の入手経路は秘密だけど、
声の主は女性で、俺と似たような髪色だったらしい。
解析の結果、最期に《ペリエ》という人物に対して言葉を遺した。
……ちょうど休戦に入った折だしね、
俺はこうしてトループに来る機会もあったから、
データはダメ元で預かったんだけど。
もし、遺族に会えたなら、聞かせてあげたいと思って」
様子を見守りながら、腕を組んで壁に軽く凭れる。
なお、遺言は暗号かどうかと疑う声もあったが、半信半疑かな。
「……やっぱり余計なお世話だった?」
とりあえず、彼女の回復を待つ事にした。**