[こうして(自分の頭では順路を覚えきれたか自信のない)ダクトを進んだ先、レイルが蹴り飛ばした蓋の彼方にケンチクはいた>>91>>96。伝わるざわめきから察するに、その後方には看守やら他の囚人たちも。
そのケンチクがレイルとガァドとそれぞれ話を交わす様を――拳銃を渡したのも>>92>>98――ハリコの左目はダクト内の後方から見つめていた。
「タダのガキ」だという“レディ・フィア”のもとへ、このおとなの「運び屋」が向かう、という意思も耳にしながら――]
「女子供」だとかナメた言い方したこと、
船の中でみんなに謝るのよ!
[この冤罪の男に助けられていながらも、この場で彼に対して何の助けも寄越せなかった冤罪の女。
せめて「生きてたら」>>101の別れ際に、この抗議だけはケンチクに届けておこう。現在進行形でエスコート>>108を受けている女が言っても、まるで説得力がない訳だったが……。]