だめだ、な。
[ペンを握ってみたけれど、ただの一文字も書くことができない。
頭の中には思い出ばかりがぐるぐる回って、だけど書きたいと思えることは出てきてくれない。
全ての体験がどこか朧気で、自分自身のことなのに他人事みたいに感じて。自信がなくなって。
先の見えない暗闇で迷っているような不安感に耐えられなくて、ペンを置いた。
>>114 いつかの確信はあっけないほどに崩れさったまま。
一度書けなくなってからは、それまでの僕が嘘だったかのように書けなくなった。
同時に、どうやって文字を綴ったのか、何を考えていたのかも思い出せなくなってしまった。
それが人生で一番楽しかったことだけは覚えているのに。]