[その後、相手の素性を目にしてしまってからも――後に雨の景色を見てしまった時も――ヘローからはその話に踏み込まなかったように。
傘の主もまた、こちらの「友達」については踏み込まなかった。
ただ、ここで伝えられた「きっと」の言葉>>71に――。
ヘローはふと、自分のジャケットの下、シャツの胸元につけているシラサギの缶バッジ>>0:266に片手で触れていた。]
……ありがとう。
[きっとそうだと信じてくれて。
あるいは、そうあれと願ってくれて。
そういった言葉までは機械の頭でも上手く出力できないまま、小さな感謝のみをここで零す。]