穴掘り帝国予定地にて
[威勢のいい声に合わせてカキーンカツーンとツルハシが鳴る。煩ェながらもこっちの声は届いたようで、何故か「白いおっちゃん」などと呼ばれた。]
あ゛?白?
[首を傾げるが、その理由を別に問うことは無かっただろう。もちろん教えてくれるなら聞いただろうけれど。…花屋から、瓦礫まで。穴掘り帝国の予定地とやらは通り道だったからな。理由を聞けば納得だ。
放り投げたパンの袋、こっちが誘う前に勢いよく食べやがったから思わず笑っちまった。腹が減ってるやつは食った方がいい。…人間には、生きて貰わねェとならねェ。人間が死ぬから、なんて理由で電脳化が蔓延るのは我慢ならねェことだったから。]
お、おう?
なるほどデカ…………ぁ
[ドシャァと土砂が崩れる。決して洒落ではない。洒落ではない…よな
>>88]