ああ、そういえば、この遊園地にも
メールボックスはあるんだろうか。
[ふとそう呟いた時、売店のマスコットがショッピングエリアの一角にある店と併設のポストについて教えてくれた。
といっても夢から現実に手紙が出せる……なんて都合の良いことができると考えた訳では無く(現実世界へのチケット送付の件を考えれば、有り得ないとも言い切れなかったが……)
単にここで“シラサギ”に手紙のような言伝を託したことで、ふとパーク内メールボックスのことが思い出されただけだったのだが。
さてパンパス・コートでは電子通信や念話魔術と同様、遊園地内メールボックスへの手紙も検閲の対象かどうか?
王国の通信事情に触れた者は――とりわけ「テロ事件」の直後などは――かなり警戒しがちなようだが、少なくとも出す手紙出す手紙が常に検閲官によって検査・開封されているということはないらしい。遊園地に限らず、国外との手紙の集配は主に王国外の組織が担っている、というのもあって。
ともあれヘローはここで置き手紙のようなものにふっと意識が寄り、ショッピングエリアへと向かうことにした。
おそらくこれが今回の最後のエリア巡りになるだろうと踏んで、ラストスパートお土産選びにも気合を入れる心積もりで――。]