[好きなもの、たくさん。
嫌いなもの、とくになし。
好むひと、たくさん。
苦手なひと、ほとんどなし。
嫌いな事など殆ど思いつかない。
例え自分を嫌ったり嫌がる人物とて、その反応が好ましく感じる。
むしろ、嫌えば嫌うほど追いかけてくるのがこの男と言う物。
ページボーイなる娘の事も、大層可愛がっていただろう。>>119
嗜虐趣味もあるし、被虐趣味もある厄介な物。だが普通に接する分には、一般人の皮を被っている。
獲物を横取りされたとしても、憎らしい腹が立つ等はあり得ない。その瞬間男の興味は横取りをした人物へ移り、そのまま執着へと移行するからだ。
しいて嫌いな物を上げるとすれば――、
此方が何かする前に腹をくくり、銃口を口に咥え、バン!
……そんな相手は好きではない。
興をそがれた上、気分が宙ぶらりんになる。度胸は認めるがつまらないヤツ。
そんな風に生きていた。]