─キッチンにて、コラーダと─
[>>105 彼とはこの長くて短い旅の中、会ったことがあったでしょうか。彼をコラーダという名だと認識していれば、名を呼んで、そうでなければ初めましてを添えて。]
おはようございます、もちろん。
すみません、朝からお邪魔してます
[クッキーは今、オープンの中でいい匂いをさせていて、わたしは道具を片付けたりしていました。
アンドロイドがやってくれる? いいえ、つい自分のことは自分で、と。その癖は染み付いておりました。]
なんか、…その。昔よく焼いてたの、ふと思い出したら、焼きたくなっちゃって。
あっ、あと少しで焼けるので、せっかくならいかがですか?
[なんだか言い訳みたいになりながら、わたしは答えます。取り繕うように笑うのも、あの星にいた、“わたし”のままでした。
…朝からクッキー?深く考えてはいけません。]