[老いるとできないことが増えていく。
出来なくて当たり前、が積み重なっていく。
この世でそれ“だけ”が明確に嫌いだった。
だから、そうならない身体が欲しかった。
“多少”の自分の好き嫌いは曲げてでも。
フットマンは自由を愛する。
だから、いつまでも自由でいたかったのだ。
時間が止まって、劣化することがなくなるということは、自身が不変であるということ。だけど、フットマンはこれを良しとした。
そういう気分だったから?自分の事だったから?
──否。これが、フットマンのいつまでも自由でいたいと思うことに対する“責任”だったから。*]