[そして、そこでようやくローズさんが僕の持っているカメラに気付いた様子で、首を傾げながら問を重ねる。]
ふふ、興味津々ですね。
カメラも日進月歩してますよ。これだけ小さくても、今見た光景をしっかりと写し出せますし。
……え、写真を1枚も? 確かに未来の貴女の文献は文字によるものが多かった気がしますね。
それならもっと撮っておけば良かったですね。
現像の事なら、心配しないで下さい。
専用の設備はありませんけど、夢の中なら……ほら。
[想像すれば、カメラにある画像と同じ写真が手元に現れ、先ほど撮った分の全てをローズさんに手渡した。
……ふと、もしも写真を持って帰る事が出来たら、どこかで未来が変わったりしてしまうのだろうか、と過ぎったけど。
出所が未来の技術だとバレる事はないだろう、多分……。
そんな具合に、パレードの思い出をローズさんと作ったのだった。* ]