[パラシュート降下の訓練受けてるのか、マジかよすげえな、なんて感心したりしても、俺達の間の距離が他の婚約者達と比べても少し開きがちなのは否めない。
前はそうでもなかったはずだ。俺だって詩音をリードしようという気持ちもあったし、出かけに誘いもした。手ぐらいは繋いだこともあったんじゃないかと思う。
それがこの通りだ。
他の連中を見ていると、このままではさすがに本当に結婚した後になってまずいとも思う反面、どうしたらいいか自分でもわかりかねるというのもある。
なんていうか、詩音の出方は極端というかなんというか。
いっそ冗談がわからない振りをして本気で乗ってやろうかと思う事もありつつそれもできずにいたのは、俺の煮え切らなさもあるだろう。ヘタレと言われても甘んじて受けるしかない。
けどさ。…本当にわからないんだよな、詩音が俺の事をどう思ってるのか。前に一度、それでも「お前さあ、俺の事なんだと思ってんだよ」と尋ねたときもあったと思うが…もっといい尋ね方があるだろ、ということに気がついた時には言ってしまった後だったか。]