[すぐに忘れた。
思考の裏側に追いやった、といった方が正しいだろう。]
まあまずは楽しんだもの勝ちだな!!
[こうしてシラサギめいた細身のヘッドパーツにレオーネくんカチューシャ(ライオン耳とふわふわたてがみ付き)を被り、さらにその上にホログラムの光輪も浮かばせた文字通り盛り過ぎ気味のメカが一機、大雑把な地図のパンフレットとチケットを手に。
古き良きアパートメントめいた建物の前のカチューシャ屋台から、石畳の道を歩き始めるのだった。
さて、これはわりとどうでもいい話だが――。
ヘロンの逮捕時に自害防止の目的で当局にバッサリ切り落とされた長く細かい三つ編みの束が、ヘローの抽象的な鷺型の頭部後方から伸びるコードという形で復活している。
まあ、元と異なる形とはいえ、来園してすぐに「見つけられる」モノである程度には、王国から強いられた“着飾る”義務に基づいて結った髪は、ヘロンにとって「宝物」とはいえなかったということだ。**]