>>115 ヤワタ
[階段に力なく座り込む姿を見て、おもわず駆け寄った。彼も病人なのかと見紛うくらい、日頃の溌剌さがしぼんでいた。]
患者は……発作を起こしたって聞きましたが。
……“フェイちゃん”?
[男は先日店に来た女性の名を知らないため、青年の知り合いなんだなとだけ思った。発作の状況を聞いて、軽くない病状だと思う。]
それは確かに辛そうですね。
それでも大丈夫といって何処かに行ってしまった
という事は、ご自分で対処する方法を既に身につけて
いるのかもしれません。
その方のことも心配ですが……貴方は大丈夫ですか。
気分とか、身体の傷とか、心とか。
[腰の抜けたという青年の立ち上がるのを手伝ったりしたかもしれない。
また何か起こったらいつでも呼ぶように重ねて伝えた。
この男はどうも、この人好きのする青年に甘いようだ。]