……思っていたより酷いな
[腹を貫かれ、銃弾も食い込んでいる。幾つかの弾は貫通していたものの、本部に居る外科医に摘出を頼まなくては。
――ああでも、彼は公爵と一緒に死んだんだっけ。
欠けた幹部の存在をぼんやりと思い出しながら、バチンバチンと傷跡を応急手当て用ホチキスで止め、布を巻き止血する。
内臓はほぼ人工物に入れ替えているが、胴の肉自体は殆ど生身だ。
半機械化状態の身体をやや恨みながら着衣を整える。
万全ではないが先よりはマシになった。その事に安堵しながら、血だまりを残してその場を後にした。**]