軽業師 パリアッチョ

旧大広場・６体のピエロとショーの準備

[さてさて、斥候に駆けだした６体のボクたちの話だ。
　廃墟を自由に駆け回りショーの”観客”を探す。

　時にビルの合間にワイヤーを張って見回してみたり。
　建物の中に夜明けの花>>109を飾ってあげたり。
　きゃっきゃと遊ぶボクたちだ。

　そうしていたら、辿り着いた開けた場所。
　多分昔は大広場だったんだろうな。
　今は翼を折られた天使の像が中央に一体。
　朽ちた雨痕が涙痕のように頬を伝っていた。

　それでいて、天使像は慈愛の微笑みで両手を広げてそこにいた。
　雲間から差し込む光が救いのように美しい]