『……長尾さんは宇宙飛行士になるくらい偉い訳じゃないし、
偉いから宇宙飛行士になった訳じゃないだろ。
なりたいから、なった。それだけ。
俺や姉ちゃんが大好きなバンドマンたちと同じだよ』
[そんな“永遠の子供”のこころ>>0:269>>0:270を真に理解していた人類は、この地球にどれだけいたのでしょう? 昴という“子供”のこの主張だって、彼が自分に都合よく想像を作り出した結果に過ぎなかったのかもしれません。
ともあれ、「その名前通りに」宇宙に出て人々の役に立ちなさいと昴に言い続けてきたお父さんへのこの反感を、話に挙がるニュースの中だけのその人の顔を。
まだ“シマエナガ”の名を得ていなかった白薔薇も、バラに触れる昴の手越しに伝う心から感じ取ってはいたのです。>>0:186]