[困らせてるな、というのは見えていた>>118。 だが、それを理解する程こちらにも余裕がなく、 藁にも縋る思いだった。] 帰る、場所。[帰る場所ーー寝る場所の事だろうか。 最低限の荷物しか置いていない、殺風景な部屋を思い出す。 戦争孤児だったせいで家族もいないあの家に、 戻ったとしても渇くことに変わりはないのだが。 ……と、軍医の真の意味を汲み取れることはないまま。 これ以上はお手上げだと示されれば、 真意の汲めぬまま礼を言って立ち去るのだった。*]