自室
『 改めて、こんばんはアリス
いや、
──
公女様?』
[扉を開いた常連さん、もとい夜の女王の手先、フィジシャンは──嗤っていた。
その深海のように昏い笑みは、これまでお客として接してきた中では到底見た事が無く、底知れぬ不気味さを感じさせるものだった。
よもや誤ったかとも脳裏を過ぎるが、「
可愛い妹」というのはページボーイが幼い頃に使っていた呼び方であり、また彼女の名前を提示したことからも、改めて彼は夜の女王の手の者と断じていいだろうとアリシアは判断する。]
……あの子っていうのはページボーイの事ね。現実的でないっていうのは一体──
[彼女ももうすぐ来る
>>62と言った彼の言葉に引っかかりを感じると同時、一瞬腕に視線をやったように見えたのは気のせいだろうか。
しかし説明を始めたことから敵意は無いと仮定し、フィジシャンの言葉に耳を傾ける。]