― いつかの日:ヌルと ―
[自身の頭をわたしに任せたい、と。>>124
そんな事を頼むなんて面白い子だなと思いながら、小さな依頼人をにこやかに見下ろす。]
もちろん良いとも
望むなら、何でも好きな物を見せてあげよう
幾らでもね
[彼女の記憶ストレージに残って居る物なら、何でも。
無意識化の保存であろうとも、何処かに痕跡ぐらいは残って居る筈だから。
丁寧に脳深部を探せば、親の顔ぐらい幾らでも出て来る筈だ。
了承の言葉と共に手を伸ばすと、彼女の短い髪に指を通す。
サラサラとした感触が、自身の義手に張り巡らせた神経から伝わり、とても心地よかった。]