再びのショッピングエリア
[キャラクターものの商品の店の通りからは少し離れた一角に、メールボックスを店先に設置したその文房具店はあった。
店主のもこもこネコ型パペット曰く、このメールボックスは実験的に設置されたもので、現実世界へ手紙やチケットを送ることも運次第で叶うとのこと。あくまで
「運次第」、という部分は強調された。]
あー…いや、
遊園地で手紙を預かって貰えれば
いいか、くらいに考えていたんだが……。
だが、そうか。もし叶うかもしれないなら――。
[ちなみにこのメールボックスは、パーク内通信としても使っていいのだそうだ。そう、主に各エリアのキャラクターや舞台演者、マスコットへのファンレター投函とか。レオーネくんへのファンレター投函とか。
こうしてヘローはレオーネくんレターセットとレオーネくん万年筆セットを購入し、店内隅のテーブルへと。
華美ではないものの細かな意匠の彫刻が光る木製の机に便箋を広げ、何通かの手紙を綴りはじめた。
グローブ越しの鳥めいた三本指は万年筆を何の支障もなく握りしめ、紙の上にインクを走らせていく。]