手元の所作は歪むことなく、語られていく決断とは何か。>>125私のこの旅路の決断が正しいものとは、誰も言ってくれなかった。だからか、電子端末に届くメッセージを開けずにいた。過去を捨ててきましたなんて恰好の付くことは言えないし、新天地で成功を治めますなんて自信に満ち溢れてもいない。私自身に一番無責任なのは私自身で、そんな私の幸福を願ってくれる言葉に微笑んだ。 「ありがとう、スイッセスさん」