そうですね…男の子には退屈かもしれませんが、
わたしは、そのくらいのころ、父に絵本を買ってもらったんです。
‥もうすこし大きかったかな。5歳くらいだったかも。
[目を伏せ、懐かしそうに話すわたしの顔は、相手にどう映ったでしょうか]
わたし、双子だったので、いつもおもちゃは必ず二つずつありました。
姉のおもちゃと、わたしのおもちゃ、けんかにならないように、同じものが二つずつ。
でも、わたしたちがその本を見つけたのは、リユースの玩具や服を売る、バザーだったんです。もちろん絵本はひとつしかありません。
[だから最初、父は首を振って、買うのをあきらめようとしたのだと話します。折れないわたしたちに、父は、ひとりには同じ本を新しく買ってあげるからといいましたが、それもわたしたちにとっては違ったんです、とも。]