[このぬいぐるみは確かに、白薔薇に対して「テレビでよく拝見して」と言いました。この言葉から、うさぬいが自分のことを本物のツバサ様だと思い込んでいるらしいと白薔薇にもわかりました。
そして自分たちがこのお宿にいることの意味を、うさぬいもちゃんと理解しているようでした。>>127]
私はツバサ様だが、ツバサ様ではない。
[これだけだと言葉の意味がわかりませんね。白薔薇は付け加えました。]
私を生かした人がツバサ様を愛していたから、
私はツバサ様の名前と形を得た。
本当のツバサ様は、まだ若いというし、
「命を大事にして」といつもファンに言っていたようだから、
おそらく、まだ生きている。
[表情筋を人間の笑顔の形に動かし、「ファン」のひとりであるあの女の子の心の中どおりのツバサ様のやわらかな声色を真似れば、丸まったうさぬいの誤解を解いて安心させることも叶うのでしょうか。]