― 舞台裏/NGシーン ―
[幸阪結月が初めて秘めた感情を言葉にするシーンの撮影だ。
程よい風が吹いているのは幸運だった。>>96
送風機を用いることも検討されたらしいが、
ありのままの方がいいと風がやむ前にと撮影が始まる。
しかし、自然とは気まぐれなものだ。]
!
[目の前でプリントが丹田の顔面を襲うのを目撃し、
肩を跳ねさせながら目をまんまるに見開いた。]
だいじょう……わっ!
[咄嗟に助けようと一歩踏み出したせいで、
相変わらずじゃじゃ馬な尻尾が根岸を襲う。
ささやかな二次被害である。
やや大げさによろめくのは癖なので許して欲しい。]