[嘗てのヴァンパイアの友人のことを口にすれば、
ユーリの表情が歪んだ。>>115
それを見てとり、僅かに開きかけた唇を閉ざす。
死にたがりの彼は、いつから破滅願望を
温めているのか。そう思いを馳せることはあった。
ヒトであった頃からか。
或いは、ヴァンパイアに変じてからか、と。
人間としての生を失い、
新たな種としての生を得た彼。
彼が拒むものは、何であるのか。]
羽目を外すのも良いものですよ。
偶にでも、そうでなくとも。
貴方は、普通のヴァンパイアでは
居たくないんですか?
[今宵は喉が乾く。また一口、酒を含んだ。
胃の底が温まるのが心地よい。]