[飛び交う通信に鼻先を上げていた羊塔監は、ふと細く高い音を奏でる。高く低く、うたうように紡がれる音に呼応したのか、瓦礫に隠れ、穴に隠れ、通信網を維持していたデイジー達が動き始める。偵察よりも生存を重視する動き。通信網を維持し続けるために自身を守る動き。観察力に長けたものであれば、デイジーの姿を見なくなったと感じるかもしれない]**