あなたにそう言われるだなんてね。
あなたこそ、私の事何とも思ってないくせに。
[そう言ってツンと取り澄ましたけれど。
足早にその場を去って、一人枕を濡らしたのは誰にも言えない事だわ。
だって、何も思ってないから何も反応しないんでしょう?
中学時代から考えれば、もうすぐ二桁の年月を重ねる婚約期間。
なんで、何もないの。
なんで、苦しくなるばかりなの。
なんで、──うまく行かないの。
可愛らしい女の子になれないの。
嫌われることばかりしてしまうの。
どうしたら。
そんな気持ちは、誰にも言えないまま。]