『あ、でも、雲の上のセカイも
それなりに地獄なんだっけ? だって、
“Harriko”様も、ライバル蹴落としたさに
ファッションショー後のパーティで
厨房からの失火に見せかけて
火を点けたくらいだもんね?』
……………………………、
[看守からのこの話を聞いて「何かおかしい」ともし感じたならば、その感性は間違っていないだろう。ハリコ自身も、明らかにおかしいと感じてはいる。
だがこの「おかしさ」が法廷ですらまかり通ったくらいには、この事件には裏があるようでーーけれども事の真相なんて、いじめがいのある囚人をこの場で独占できたこの看守には、どうでも良かったのだろう。]
『そうしても結局ライバル様は無事で、
寧ろ悲劇のデザイナーとして同情されて、
アナタは自分の右眼を顔のお肌ごと失くしちゃった』