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[そうして生まれたのが嘘か真か、代償として相貌失認、色覚障害、エトセトラ、etc……禁術に手を出した廃人一歩手前の写真家って訳。
え? 彼女はどうなったかって? 僕が知りたいよそんな事。
排他されてきた古の呪術をひっくり返して使ったんだぜ?
僕は国外追放。安否も知る由もなくってね。
社会抹殺されずに生きているのが不思議なくらいだ。
言いふらされないか心配じゃないのかって?
今更バラされてもね、困る事はあんまりないのさ。
……さっきも言ったけどね、もう肖像写真はしてないんだ。
現代の病気に当てはめて言ってはいるけど、人の顔をうまく認識できないんだ。
服装や周りに目立つパーツがあれば理解はできるけどさ、微細な表情の変化が分からないのは肖像写真家として致命的でね、風景写真家もギリギリって感じなのさ。
……うん? "なくした宝物"を見つけられる遊園地のチケット?
藪から棒に、何その怪しげな物は……僕にこそ相応しいって……ちょっと、どこに行くのさ。取材のギャラは? え、これ? 嘘でしょ。男のお一人様遊園地とかどういう拷問なの。ちょっとー!?**]