[女も性別の区別なく改人として戦場に出れるこの世界で
他国の出身である少女が、自国の中で改造を受け、自国のために戦うのは何故だろうかと、女は考えたこともある。
それは当然、本人を目の前にして口にしたこともあっただろう。
例えば、部隊の休憩中にとった食事がかち合った時。
例えば、仮眠をとる宿舎が一緒であった時。
他にもふとした折に会う事があれば
二言、三言は話ができる間柄だったと女は認識していた。
たまの休暇に合わせて
甘いものを食べに行かないか、とか。
髪の整えを手伝ってくれないか、とか。
そんな些細な話を振れる、あまり多くはない人物の一人だったと。
(受けてくれたかは別の話だが)
そういえば、前線を離れる話をしたような気もした。
退役ではないが、前線では戦えなくなったという話を。
原因や理由は、少女から振られなければ女は話すことはない]