─???─
[アレは、ヘルハウンドの何かを探していた。目当てのモノは見つからなかったようだが。
そして『不可逆の公爵』についてもまた、探っているようだった。
彼自身のことか、彼が保有している情報なのか。
少なくとも、ヘルハウンドの情報が盗まれたわけではなさそうだった。
もしも祖母が生きていたら、アレが何をしていたか──
思考を断ち切るように、ぶんぶんと頭を振る。]
もういない。そんなこと、あり得ない……
[あり得ないことは無いことだ。もしもなんて考えたところで、意味は無い。
荒らされた部屋を軽く片づけて、割れた窓に板を張る。]