― 秋の文化祭・部室棟 ―
いえ、本当に大丈夫ですよ。
そんなに勢いよくぶつからなかったですよね。
[保健室で湿布貰って、というどこか大げさな言葉>>135に思わず笑って返す。
見ず知らずの自分に、優しい人だな、と思う。
そして、続く言葉>>136には、こちらの勘違いだったとわかり、何かすみません、と再度頭を下げることになる。
しかし、展示のどこがためになったかと聞かれると、一瞬ぽかんとした顔で彼を見てしまった。]
ええと、いや、本当、見ればわかるんですが…
あ、町の猫たちの縄張りベン図とか、おはなちゃんまんじゅうの中身切り替え時期詳細とか、喫茶店長時間耐久とか、無人販売所情報とか、そういうのはためになるかもしれません…
[なんというか、地図上の情報が雑多すぎて、最終的には『見てくれ』としか言いようがないのだ。
少しでも彼の欲しい情報が得られただろうか。
少しの疑問を残しつつ、展示室に入ろうとする彼の様子を見つめていただろう。]*