…問題がなぁ。仕事そのものを生き甲斐にしてたやつらなんだよなぁ。
余程特別なものじゃない限り仕事はなくなって、飢え死ぬ心配もないからっていっても、それそのものが生き甲斐なんていうやつはな。生きる意味を見出せなくなっていってな。
うちの両親もそうだった。ハウスキーパーだの雇って俺のこと放っておくぐらいにな。おかげで裕福な家庭ってやつではあったんだけどな。
そんで、充実した社会保障によって用意されたものがな、なんだっけか…呼び名は忘れたが、『幼児性。』って意味のものだったな。
記憶を一部なり削除して、生き甲斐を探すぐらいの心になるように戻しちまうってやつだ。
なんやかんやあってその装置に頼ることになっちまったんだが、そしたらよ。子育てしっかりしてみたいとかいいだすんだよ。俺その頃には27だぜ?今更幼稚園だの小学校なんてできるわけねーしよ。
でもまぁ、発達した文明ってのは凄いものだ。子供だって用意できちまうんだからな。
俺の過去のデータをつくって、昔の俺を用意して……