[大人である先生の前で子どもが将来を語る。そこに夢も希望もない。当人は大人ぶっているのかもしれないが、生意気な言動だということは明らかだった。実際、対面した先生は困ったように息を吐く。「お前が後悔しないならいい」――と。大人な対応に、結月の幼さが際立つ。元々考えを改めさせるつもりはなかったのだろう。だからこそ職員室という開放的な場で話したのだ。先生はそれ以上言葉を重ねることなく結月を解放した。少女もむっとした表情のまま頭を下げる。]