[名に刻まれた口術は、その身に呪いを“隠す”もの。彼が感じた通り、その名を呼ぶものが増えれば増えるほど眸に巣食う悪しき呪いは弱まる。とはいえ、夢の中では半分死んでいるようなもの。呪いも今ばかりは無効化されているようだけれど。] ……そうか。 なら、こちらも応えなければ、だねぇ。 “今は” 暉くん、と呼ぼうか。[普段一度も口にしたことのない呼び名は紡ぐとどこかむず痒い。]