[揺れる髪、似た色が二つ。
ライオンの鬣ほど長くはないけれど。
遠い昔に戯れたあの時も、こんな風に髪を揺らし
鳥居の下で追いかけっこをしていた気がする。]
そうだねぇ、それなりには。
修学旅行や付き合いでね。
浮き上がるような感覚は慣れないが、それが気持ちいいものだよ。
[初めてというジェットコースターは大丈夫だろうか。
不快にならなければいいがと、多少の心配をのせつつ
面白い機械のスタッフに促され座る。
横でそわそわしている気配を肩に感じつつ
心配より、その愛らしさに笑みが勝った。]
怖かったら、手でも繋ぐかい?
[そうして差し出した手は、取られたかどうか───]