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[走り出した私の後ろで、知った声が自分を呼ぶ。>>74
反射的に振り返るものの、飛び交う銃弾と暴動の向こう側には既にハリコの姿は見えなくて。
あの向こう側に居るのかしらと目を凝らせば、此度の爆発計画の提案をしてくれた人の姿がチラと見えた。]
(付き添いかしら。)
[少なくとも、一人ではないように見える。
大騒動の真っ只中、隠れもせず顔を出すと言う事は、ハリコにも大事な用事があるのだろう。
それこそ、脱獄する、とかね。]
ハリコ!後でね!
[それなら後で合流出来るかしら。……出来るといいな。
別れを伝え、縋る事もしなかった。けれど本音は、まだ貴女と仲良くしたいの。
後でと、わたしはそう言い、彼女とは反対の方角に再度走り出す。
逃げるなら、混乱は大きければ大きいほど良い。安全に出られるよう、少しでも場を引っ掻き回しておきたかったから。
銃を持った自分を、彼女にあまり見られたくなかったと言うのは内緒よ。*]