>>141 ウロボロス
……それでも、空腹のあまり人に掴みかかる程ではありませんから。
睡眠については心に留めておきます。
[これにしては珍しく皮肉を言った。
それから渡したピタサンドが口の中に消えるところを無遠慮に眺めた。彼の口内や顔の色は良いようだ。
そして彼の口は大きいなと思う。生命力に溢れていて、いいことだ。]
……血の匂いに随分過敏に反応している気がして。
だからてっきり嫌いなのかと思いました。
違うならいいです。
[本当に嫌いではなさそうだ。なぜなら傷は完璧に隠してあるのに、まるで追い求めるみたいに視線で追いかけられているから。
——嫌いではないというのなら、]
じゃあ、好きなんですか。血の匂い。
[もひとつ嗅いでいくかい?とでもいうようにまた手首を差し出した。ファストフードを分け与えるのと同じ、軽い気持ちで。]