[ 他人の過去に一切の関心は無かった。 いや、知ってしまうことを恐れていた。 ひたすらに王の愛を乞う君が ……言葉に出して愛を乞える君が、羨ましいとさえ。 何もかも臆病な私は。 君のように、最後まで、言葉には出せなかったから。 だから君が兵士になった後、幾度か医務室を訪った時は …他の兵士相手よりも少しだけ 穏やかに優しく治療を施しさえしたさ。 ]