[いつもの店のラジオから、それは聞こえてきた。>>#4>>1>>2]
和平条約……
[店主も居合わせた客たちも、ぽかんとしている。
それもそうだろう。自分たちの生まれるずうっと昔から続いている、もはや理由も忘れ去られた戦争が終わるのだ。]
そうか、終わるのか……
店主、さっきと同じものを追加で。それとこれらも。
[切れ端に必要なものを殴り書き、金と一緒に渡す。]
「こんなに使うんですか?」と驚く店主をせかす。
もちろんだ。これから忙しくなるからな。
[品物を受け取り、足早に店をでる。
戦争が終わったのなら、各地への移動が今よりも楽になるだろう。
敵だの味方だの煩く言う奴も減るだろう。]